今日の収穫3

朝少し遅い。昨日の夜遅かったからだ。私はあまり夜は強くない。一番大切なのは睡眠だと思う。

昼前に大学へ。めずらしく、院生室には人が少ない。結局、留学生1人と僕だけ。エクセルの使い方を聞かれる。私は論文で表や図を使わないので得意じゃない。

例の英語の作業をする。英語ができる人は本当にすごいと思うと同時に、英語くらいできるようになりたい。それまでは、あまり恥ずかしくて研究者面できないと思う。

地下に降りて厚生白書を集める。調べている運動の背景を知るため。1959年と1960年の障害者関連の部分を読む。が、量自体が少ない。目新しい発見はないが、参考にしている資料にはあたる価値があるかもしれない。

今日は、渡辺治『高度成長と企業社会』、これを100ページ。
重要なポイントは、戦後政治が1960年に転機を迎えたという点。今時点で思い出すのは、小熊英二さんが『民主と愛国』で1955年までを第1の戦後、以後を第2の戦後としていた点。2人は近いのか遠いのか?

渡辺さんの場合、1960年に安保闘争で痛い眼を見た自民党から3つの流れが生まれたと主張していた。1つは岸信介の志向を接ぐ権威派、もう一つは、三木武夫などの福祉国家派、最後に、経済成長優先派。で、イニシアティブをとったのは、経済成長優先派。石橋湛山の志向をつぐ池田勇人。池田は、護憲を宣言し、所得倍増構想を出すが、重要なことは社会の企業化が進んだこと。つまり、激しい対立で要求を勝ちとる労組を力でつぶすのではなくて、平等化し新たな競争をもちこむ。これによって、社員もとっくみあいでなく、生産性を向上することによって、結果的に利益を増やそうとする。こうして、労組の戦闘性は弱り、社会党も凋落する。企業レベルでも、社会全体のレベルでも利益を拡大することによって、結果として1人1人の取り分が増えることを前提とした社会になる。佐藤栄作岸信介の弟だったが、完全に池田勇人の路線をついだ。

高度成長と企業社会 (日本の時代史)

高度成長と企業社会 (日本の時代史)